数学の勉強法

 【基本事項】

 数学における基本事項となるのは,計算の公式のほか,確立した解法の手続です.

 例えば,微分積分の計算法,漸化式の解法,パラメータ分離による領域図示のテクニックなどです.

 広い意味で「計算力」ともいえます.

 

【インプット】

 一般的な数学の参考書を用いればよいでしょう.

 たとえば旺文社の総合的研究シリーズやチャート式シリーズなどがこれに当たります.

 

 総合的研究であれば,各章の概説パートを読んだ上,例題の解法を読んだり紙に書き写したりしながら丁寧に追って理解して行きます.章末問題は最初は省略してよいでしょう.この段階では,解法やテクニックを知ることが目的ですので,無理にすべての例題を自力で解こうとする必要はありません.

 個々の問題がある程度理解できたら,各章を改めて通読してみましょう.その分野についてどのような出題や解法の選択肢があるのか,全体像が頭に入ってくると思います.その効果を得るためには,ある程度のスピードで読み進められることが重要です.個々の問題につまずいてしまって1つの章が通読できないようだと,まだ理解が不十分だと思います.

 

 例題中心の参考書では頭に入ってきにくいという方は,講義形式の解説書などを使用してもよいでしょう.最近では,CD付きの書籍もあるようです.

 

【基礎演習】

 基本的といえるレベルの問題を,実際に手を動かして処理する練習をします.

 インプットで例題を中心に勉強した方は,例題を自分で解きなおす練習で十分でしょう.

 ここでの目的は,典型問題の処理を身体で覚えることであり,頭を使う練習ではありません.初見の問題に当たる必要はなく,同じ問題を繰り返すだけで十分です.また,すでに十分な速度で解けるものについては繰り返す必要すらありません.

 

 インプットで使用した教材が講義形式などで,あまり例題がないという方は,Z会のチェック&リピートシリーズ,数研出版の重要問題集,東京出版の1対1対応シリーズなどが考えられます.

 本によって難易度や傾向の違いはありますが,これでなければ受からないというものはないので自由に選択すればよいでしょう.ポイントは,あまり難易度の高いものを選ばないことです.重要なのは,実際に手を動かして身体で覚えることですので,頭をひねらなければ手が動かないというようだと,少し難易度が高すぎると思います.

 

【実戦演習】

 過去問研究に早めに着手すべきです.

 数学に関しては鉄緑会の過去問10年版,30年版がありますので,素材の入手には困らないでしょう.

 

 いうまでもありませんが,典型問題以外は解答を覚えても意味はありません.

 ここでのポイントは2つで,問題文を読解して典型問題に落とし込む過程(数学的読解力)と,答に至る過程を答案として記述する技術(数学的表現力)です.

 じっくり練習してください.

 

 実際にやってみると,限りなく典型問題に近いものから,手も足も出ないものまでいろいろあることがわかると思います.難易度の感じ方は個人の得手不得手もありますので,使用している過去問集の評価を参考にしつつも,自分なりに簡単な問題,歯が立たない問題などの手ごたえを確認してみてください.

 

 更に演習量を増やしたい方は,東京出版の新数学演習等を用いることも考えられますが,合格するということを考えるのであればそこまでは必要ないでしょう.そこまで手を出す時間があるのであれば,合格後のことも考えて色々な本を読むなど教養を身に着けることに使ったり,社会人の方であれば仕事をこなして経済的基盤を確立することに使ったほうが有益です.