ここでは,センター後二次試験までの1か月余りの期間を直前期と呼びます.
この頃は,【実戦演習】中心に,必要に応じて【インプット】【基礎演習】を補充するスタイルの勉強になっていることが想定されます.
・やるものを極力過去問に絞る
直前期になると,焦りから,やっていないものが気になりがちですが,やっていなければ受からない本などありませんし,あるとすれば過去問くらいのものです.あれもこれもと考えていると結局過去問を解かないまま本番を迎えるといった事態にもなりかねませんので,心当たりのある方は注意しましょう.
10年分が一つの目安になりますが,これも絶対のものではなく,いい加減に10年分を回すくらいであれば,数年分に絞って思考過程や解答をじっくり検討するのもよい戦略です.
もちろん,過去問を十分研究済みという方は他の素材を勉強するのも自由です.各予備校の模試問題集や予想問題など,できる限り本番に近い形式で演習することを勧めます.
・本番の戦略を立てる
この時期の過去問の使い方のポイントは,本番当日のふるまい方をリハーサルし,研究することです.
試験に落ちたことのない現役生の方等は実感がないかも知れませんが,試験本番での失敗ほど勉強になるものはありません.
試験本番では,問題を解く順序や時間配分をはじめ,メモの取り方や計算用紙の使い方まで,思わぬところで手間取ってしまったり,失敗してしまうものです.当然のことながら,試験開始の合図の後に気付いても手遅れです.こういった細かいところまで検討する余裕があるのは,試験前の今のうちです.
また,解けなかった問題についても,知識の抜けが原因なのか,情報の整理の仕方や発想の仕方に問題があったのか,あるいは捨ててよい問題だったのか,しっかりと分析をすれば,極めて有益な糧になります.
ただ問題集として使うのではなく,日々過去問を本番のつもりで解くことで,本番での失敗を疑似体験し,綿密にメンテナンスをして再挑戦するというサイクルを通じて,実際の本番当日に最高の状態に持っていけるよう仕上げていきましょう.
まさしく「日日是本番」です.
・前日,当日の計画をする
試験数日前から当日にかけては,総復習などをしたい方が多いと思います.また,本番に向けて気持ちを作っていく上でも重要な時期でもあります.この時に何をするか決まっていないと,あれもこれも復習したいと焦ってしまうなどして,ペースが崩れてしまう危険があります.
最低でも,試験前日に何を見直すか,試験当日に(試験開始前の見直し用に)何を持っていくかを考えておき,復習用のノートや資料を作成する方はこれに向けて仕上げておきましょう.
注意点として,試験前日や当日にはあまり多くのものを計画に入れないようにしましょう.体調管理が最優先になりますし,何らかの事情で(交通機関の事故,忘れ物を買いに行く必要が生じた等)見直しをする時間が取れなくなる可能性もあります.また,このタイミングでは今までやったものを確認程度に見直すようにし,初めて見るものを使うのは絶対にやめましょう(普段使っていない単語集を本番前に見る等).
これらの点に留意して直前期の勉強を計画的に行ってください.